アーシングとは?
■ アーシング
素足や素手で土や海水に触れることにより、身体に帯電した電気を放電する「アーシング」という健康法が認知されつつあります。
札幌で統合医療の「響きの杜クリニック」を開業されている西谷雅史先生は、帯電により起こる不調を帯電障害と名付け、患者さんの治療にアーシングを取り入れられ、驚く程の効果を見せているとのことです。
西谷雅史先生によると、帯電は交感神経を過剰に過激し、筋肉、血管が収縮し血流が悪くなるそうで、冷えはもちろん、酸素や栄養が十分に届けられないので、肩こり、頭痛、慢性疲労等様々な症状に繋がっていることを指摘されています。
帯電の原因は2つあり、一つは静電気です。生活の中で溢れる、化学繊維、化学建材は摩擦により静電気が発生しやすく、ドアノブを触ってバチッという経験は誰しもがあるかと思います。また、そうした体表の静電気だけでなく、体内でも常に静電気が発生していると指摘している医師もいます。
昔の人は草鞋で畦道を歩き、畑仕事等、土や草木に触れ自然と放電する機会が多かったのに対し、現代人は、アスファルトの上をゴム底靴で生活し、土や草木に触れる機会がほとんどありません。また、汗をかかない生活をしている人ほど放電できず、帯電しやすくなります。
そしてもう一つの帯電の原因となるのが、家電製品や電気配線から発生する電磁波(電場)です。今や、家でもオフィスでも多くの電気製品に囲まれ、その電気製品に電気を供給するコンセントや、ダウンライトのような照明、スイッチも増えていますから、床壁内部の配線も当然増え、常に電気に囲まれた生活をし、知らず知らずのうちに帯電をしているのです。
EMFAでは、まず「①そもそも電磁波(電場)を帯電させない」にプライオリティを置き、次に「②常に発生する静電気を放電する」という2つの目的からアーシングを推奨しています。
■ アーシングの定義
主に、アース(接地)の仕組み(*1)を使って、人間の身体や、生活空間における様々な製品から、電場(*2)を安全な水準まで低減させる事(*3)を指す。
*1:アース(接地)の仕組みとは?
・地面と直接的につながる導線を通じて、対象物(人物・物体)に電場が伝搬している場合に、対象物より電位が低い環境をつくり、電場を地面に逃す仕組みを指す。例えば、各家庭におけるアース線の活用や、コンセントのコールドラインの活用が考えられる。
・この際、十分なアース効果を得るため、地面への接地抵抗は50Ω以下であることを条件とする。
・また、この仕組みにより、対象物(人物・物体)の電場が25V/m以下に低減することが実現されなければならない。また、人物については身体電圧が0.1V以下に低減することが実現されなければならない。
*2:電場とは?
交流(AC)を原因として、電圧がかかった配線や家電製品などから発生する5Hz~2kHzの周波数帯に属する極低周波電磁波電場を指す。これは、電位が高いところから低いところへまた抵抗が高いところから抵抗が低いところへと移動し誘導電流を誘起する、交番電界のことである。
・単位は、電場の強さを意味するV/mを使用する。この電場は動電気ともいわれ、静電気の対義語として位置付けられているが、静電気は、帯電することで電界を生み出し、静電誘導を起こす。静電気の強さを表す単位はVを使用する。
*3:電場を安全な基準まで低減させる事とは?
・一定の安全基準以下まで電場が対象物から取り除かれることを指す。
・具体的には、対象物(人物・物体)の電場が25V/m以下(EMFA安全基準)に低減することが実現されなければならない。また、人の身体については身体電圧が0.1V以下(バウビオロギー指針値)に低減することが実現されなければならない。
・具体的な低減させる方法としては、発生している電場及び静電気を導電性繊維に誘導して、アース(接地)を設けることにより摩擦抵抗を起こさずに、低減させることができる。
■ 効率的なアーシング
天気の良い日に公園に行って芝生の上を歩いたり、夏は海に行って波打ち際を歩くのも気持ち良いでしょう。しかし、定期的に行なったり、静電気の起きやすい冬場にはなかなか難しいですね。そこで、お家の中でもアーシングができる製品が販売されていますので、そうした製品をご使用いただくのがお勧めです。
中でも、身体を休める就寝時にアーシングをすることで長時間、効率的に行なうことができます。就寝中に帯電を起こしていると、交感神経過多になり、当然睡眠の質にも影響します。アーシングは副交感神経優位に働き、筋肉、血管が緩んで血流が改善します。血流が戻ることで冷えの解消はもちろん、酸素、栄養が身体の隅々まで行き渡るので、疲労の回復、怪我の治癒、細胞の成長等、様々な恩恵が期待でき、睡眠の質も劇的に向上します。海外ではプロスポーツ選手やアスリートが競技力向上のためにアーシングを取り入れていることが報告されています。
就寝時に携帯電話を充電しながらアラームとして枕元に置いていたり、延長コードがベッドに這っていたり、またベッドに備え付けの照明は点けていなくても電磁波(電場)が発生し帯電を起こしています。さらに言えば、お布団を敷く床下、ベッドを配置する壁の中の電気配線からも常に電磁波(電場)が発生しており、床、壁、ベッドを通じて知らず知らずのうちに人の身体に帯電を起こしているのです。アーシングはこれらの帯電を防ぎ、さらには衣服や寝具の摩擦から発生する静電気も抑制しますので、睡眠の質が高まり、次の日の活力が大いに得られるのです。